温存された香川真司。先発濃厚のバイエルン戦に勝機はあるか? (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 これでバイエルンとドルトムントの勝ち点差は5に。前半戦ではミュンヘンで1-5と成すすべなく大敗したことを考えると簡単な戦いにはならないだろうが、負傷者続出のバイエルンの最終ラインをいかに突くかで、この日のマインツのように勝機が見えてくる。

 ちなみにマインツ戦のバイエルンのDFはラフィーニャ、メフディ・ベナティア、デビッド・アラバ、フアン・ベルナトの4枚で、その前にアルトゥロ・ヴィダルが入る形だった。ジェローム・ボアテングもハビ・マルチネスもホルガー・バトシュトゥーバもいない今こそチャンスではある。一方でリベリー、ロッベンが復帰した前線は充実しており、キングスレー・コマン、ダグラス・コスタもいるため、サイドのケアが最重要課題になる。

 香川真司のバイエルン戦といえば、2012年、マンチェスター・ユナイテッド移籍直前にアレックス・ファーガソンの目の前で挙げたドイツ杯決勝でのゴールが思い出される。だが今季前半戦の対戦では、先発したもののいいところなく、53分でロイスと交代している。その試合ではいつもと違う0トップの4-3-3を採用、香川は中盤ではなく前線で起用され、戸惑いを口にしていた。

 今回、トゥヘルはバイエルン戦にどう臨もうとしているのか、ここ数試合の戦いぶりからは想像がつかない。香川本人は「わからない」としてはいるが、ダルムシュタット戦での温存は、先発への伏線と見ていいはずだ。

 週末のバイエルン戦は、ブンデスリーガ後半戦、最大の盛り上がりを見せるだろう。残り10節。ドルトムントにとっては逆転優勝へ向けての大一番となる。

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