香川真司、「ベンチ外」騒動を語る。4節ぶりフル出場は「監督の優しさ」 (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 そして香川本人について。ベンチ外となったヘルタ戦前後は、驚くほど多くのメディアに取り上げられた。香川自身にとっても決して簡単な状況ではなかったようだ。

「いろいろ報道されていますが、監督とも話して、そこは僕たちの間で話したことなので、ここで言うことはないです。ただ自分の中でそれを受け止めてやらないといけない。もちろん自分の意見もあるし、それは伝えたい。ただ、もう終わったことなので。こういう状況で、また次からピッチで証明していくしかない。あせらずにしっかり整理していきたいと思います」

 おそらくハノーファー戦後はこの件についての質問が多いと想像したのだろう。冒頭、香川は厳しい顔つきで報道陣の前に立ったが、話していくにつれて明るい表情と、軽快な口調になっていった。たいして突っ込まれなかったという安堵感なのかもしれないし、単に話すうちに気が楽になったのかもしれない。そして「長いシーズン、いい時も悪い時も必ずあるんで」と前を向いた。

 この試合でフル出場だったことを「監督の優しさ」と香川は表現した。だが、ミキタリアンとゴンサロ・カストロが途中交代で下げられたことを考えると、木曜日に行なわれるヨーロッパリーグ決勝トーナメント1回戦のポルト戦では先発の可能性は低いと見ることもできる。もちろん90分プレーできたこと自体は収穫ではあった。だが、複雑な意味を持つフル出場だった。

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