岡崎慎司が考える、「戦術・バーディー」とは違った新たな攻撃

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 先週末のイギリスは、「ジェイミー・バーディー」一色に染まった。

 主要各紙は、レスター・シティ対マンチェスター・ユナイテッド戦で「11試合連続ゴール」のプレミア新記録を樹立したバーディーをスポーツ欄のトップに。7年前は工場に勤務しながらイングランド8部に身を置いていた彼が、プレミアリーグの歴史に名を刻んだ「サクセスストーリー」を大々的に報じた。

岡崎慎司の献身的な守備はマンチェスター・U戦でも目立っていた岡崎慎司の献身的な守備はマンチェスター・U戦でも目立っていた 記録を更新した24分の得点シーンでは、そんなバーディーの真骨頂が発揮された。敵のコーナーキックからカウンターを繰り出すと、絶妙のタイミングで前方へ飛び出し、DFクリスティアン・フックスからスルーパスを引き出す。スピードを生かしてDFラインの背後に抜け、ワントラップから右足を一閃(いっせん)。ボールは名手GKダビド・デ・ヘアの足をすり抜け、ファーサイドに吸い込まれた。

 ワンチャンスを確実にモノにする決定力と、トップスピードに乗ってもブレない技術力――。得点後、マンチェスター・Uのサポーターが陣取るエリアまで突っ走って挑発するあたりも、豪快さがウリのバーディー"らしさ"が凝縮されていた。5試合ぶりに先発に復帰し、4-4-2の2トップの一角に入った岡崎慎司は、そんなバーディーへ賛辞を送った。

「すごいですね。ノッているという領域はもう超えている。自分の形がしっかりあるし、チームにも完全にフィットしている。あそこまでの記録を打ち立て、イングランドの歴史に名を残したわけだから、もう俺があれこれ言うことはできない。昔、ルート・ファン・ニステルローイが決めたときの価値より、(クラブ規模の小さいレスターで達成した)今のほうが高いと思う。今日も、あの場面しかチャンスはなかったですから」

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