W杯予選未勝利のアルゼンチン。「天の恵み」もブラジルにドロー

  • 三村高之●文 text&photo by Mimura Takayuki

 W杯南米予選は、早くも第3節でアルゼンチンとブラジルの二強が激突した。

「手負いの猪は手強い」というが、現在のアルゼンチン代表の状態は「手負い」という程度では済まない。これまで高いスキルと緻密な連係でゴールを量産してきたメッシとアグエロ、そして攻撃の切り札のテベス、チャンスメーカーのパストーレ、守備の要のガライ、サバレッタと重要な選手6名が負傷で離脱。一方のブラジルもマルセロとマルキーニョスのレギュラー2名を欠くが、出場停止処分が明けたネイマールが戻って来た。ドゥンガ監督は彼を軸にしたチームを作ってきただけに、ネイマールの復帰は2人の欠場を補って余りある。

先制ゴールをあげたアルゼンチン代表のラベッシ先制ゴールをあげたアルゼンチン代表のラベッシ この激突はスーペルクラシコと呼ばれる南米最大のダービーマッチ。選手はもちろんサポーターも激しいライバル心を剥き出しにする。しかし今回はアルゼンチンサポーターも意気が上がらず、「0-3を覚悟しなければならない」といった声まで聞こえた。ブラジルの選手からは、「今回のアルゼンチンは難敵ではない」という趣旨のコメントもいくつか漏れており、ドゥンガ監督は、「スーペルクラシコに有利なチームはない」、さらに「これは戦争だ」と敢えて厳しい言葉を使って油断を戒めていた。

1 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る