PSGのGMがスポーツビジネスに新風を巻き起こすまで

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper  森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

【サイモン・クーパーのフットボール・オンライン】PSG台頭の立役者ジャン・クロード・ブラン(前編)

 ジャン・クロード・ブランは、今でこそ世界をまたにかけて活躍するフットボールクラブの幹部。そんな彼も子どものころは、フランスの田舎暮らしが長かった。「18歳まで(南東部の)サボワ地方で育ち、旅行もしたことがなかった」と、今はパリ・サンジェルマン(PSG)のGMを務めるブランは言う。

 ブランと僕は、パリ南西部のブローニュにあるPSGのオフィスにいる。テレビの横に置かれた写真には、昨シーズン国内で獲得した4つのトロフィーを誇らしげに掲げるPSGの選手たちが写っている。壁には、PSGでキャリアを終えたデイビッド・ベッカムの肖像画が飾られている。ブランは長い道のりを歩んできた。

スポーツビジネスの旗手として注目を集めるジャン・クロード・ブラン氏 photo by Getty Imagesスポーツビジネスの旗手として注目を集めるジャン・クロード・ブラン氏 photo by Getty Images 高校を卒業した後、ブランはニースにあるCERAMビジネススクールに進んだ(CERAMは2009年にリール商業高等学院と合併し、現在のSKEMAビジネススクールになった)。ニースを選んだのは、親戚がいたので町をよく知っていたためでもあったが、ソフィア・アンティポリスというサイエンスパークにあるCERAMのキャンパスに魅力を感じていたことも理由だった。

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