どうなる長友佑都の去就。インテル契約延長の可能性も急浮上

  • マッテオ・ブレーガ●文 text by Matteo Brega 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 2015年晩夏、残念ながら、長友佑都はあまり快適な時を過ごしているとは言えない。練習場と移籍の声の間で宙吊りとなった感じだ。

インテルで黙々とトレーニングを続ける長友佑都 photo by Getty Imagesインテルで黙々とトレーニングを続ける長友佑都 photo by Getty Images 7月の時点では、長友がイタリアから出ていくことはほぼ確実だった。もしインテルから移籍するなら、長友の希望はイタリア国外のチームだった。今のチームメイトと対戦したくないという思いと、なにより彼の才能を高く評価し、チェゼーナから獲得してくれたインテルというチームへの愛からでもあった。

 そこでまずマルセイユとヴォルフスブルクの名前が浮上する。彼らは信頼でき、かつ左右どちらでもプレーできるサイドバックを探していた。しかし交渉はうまくいかず、長友は行き先の決まらないまま、仲間と共にリスコーネ・ディ・ブルニコでのサマーキャンプに入り、中国ツアーにも同行した。先行きが不透明な状態でも、長友は真面目に練習し、契約を延長せず売却を決めたチームを非難したり、不平をこぼしたりすることは一切しない。こうして日々トレーニングに打ちこむうちに、いくつかの出番も回ってくるようになった。

 親善試合のアスレティック・ビルバオ戦では、長友はいつものごとく全力でプレーし、彼のアシストからイカルディのゴールも生まれている。その活躍ぶりから、また新たな可能性が生まれていく。最初の相手はガラタサライ。インテルはフェリペ・メロとのトレードを画策した。その後ジェノアからペロッティを長友プラスお金で獲得しようとしたがこれもうまくいかず、ついには長友の親友アントニオ・カッサーノも移籍したサンプドリアの名前も出てきた。

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