コパ首位通過のアルゼンチン。メッシと監督の微妙な関係

  • 三村高之●文 text by Mimura Takayuki photo by Getty Images

6月特集 ブラジルW杯から1年 ~日本代表と世界はどう変わったのか?~(9)

 チリで開催中のコパ・アメリカ(南米選手権)。ブラジルW杯準優勝のアルゼンチンが入ったグループBは、前回大会優勝のウルグアイ、同準優勝のパラグアイがいる"死のグループ"となった。アルゼンチンはこのグループリーグを2勝1分けで首位通過を果たしている。

ジャマイカ戦に出場したメッシ(アルゼンチン)ジャマイカ戦に出場したメッシ(アルゼンチン) アルゼンチンのメンバーは1年前とあまり変わらないが、注目を集めたのはテベスの復帰だった。「所属クラブではCFなので、代表でメッシのサポート役をするのは慣れていないからやりにくい」と本音を吐露したことで、前監督のサベーラから外されたと言われている。だが個人的にメッシと不仲なわけではなく、今期のチャンピオンズリーグでも7得点と活躍している。彼の復帰は大きなプラス材料となる。

 アルゼンチン代表の最大の変化は監督の交替だ。W杯準優勝という好成績を残した監督が続投しないのは珍しいことだが、本人の強い意志でサベーラは勇退。後任は、パラグアイ代表を率いて成功し、2013年にはバルセロナの監督に抜擢されたマルティーノだった。バルセロナを率いたことで、現キャプテンのメッシ、前キャプテンのマスチェラーノという代表の二枚看板を熟知しており、最適任者との呼び声が高かった。

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