復調した本田圭佑。だが今のミランには何も残っていない

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari  利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

オフィシャル誌編集長のミラン便り2014~2015(32)

 残念ながら今週は、またもミラン敗戦の報からこのコラムを始めなければならない。サッスォーロでのアウェー戦でミランは今シーズン12度目の黒星を喫してしまった。

 ただ本田圭佑は、先週に引き続きピッポ・インザーギのフォーメーションの中で一番の出来であった。シーズン開幕の頃のコンディションを、彼は完全に取り戻したようだ。本田はミランの3トップの一角を占め、右サイドからサッスォーロのDFを常に脅かしていた。

サッスォーロ戦に先発、79分までプレイした本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS)サッスォーロ戦に先発、79分までプレイした本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS) ミランはサッスォーロのFWベラルディにまず2点を許してしまったが、その後奮起し同点にまで持ち込んだ。しかしゲームのイニシアチブを握り、「さあこれから!」という時に、試合の流れは審判によって変えられてしまった。MFボナベントゥーラに2度目のイエローカードを出し、退場処分にしてしまったのである。警告の理由はハンドだったが、このハンドは明らかに故意ではなかった。

 私はこれまで一度も、このコラムで審判のジャッジに対し批判めいたことを書いたことはない。しかし今回だけはひと言、もの申しておきたい。なぜならこの退場処分の他にも、この日のジャッジには疑わしい点があったからだ。

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