バイエルンとドルトムント。なぜここまで差がついたのか

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 代表戦明けのブンデスリーガ。4月4日、ドルトムントは1対0でバイエルンに敗れた。最少失点での敗戦。試合後、バイエルンの選手たちは思いのほか勝利を喜び合っていたし、グアルディオラ監督は「前半は信じられないほど難しかった」と語った。ボール支配率はほぼ五分。シュート数で言えばドルトムントの15に対しバイエルンは7だった。

 それでもドルトムントに勝てそうな気配があったかと言えば、そうではない。現時点での力の差を思い知らされる試合となった。これで前半戦に続いてバイエルンには2連敗。本来は優勝争いをしてリーグを盛り上げる両雄として並び立つべきドルトムントの厳しい現実だ。

バイエルン戦に後半22分から出場した香川真司バイエルン戦に後半22分から出場した香川真司「チームとしての差を感じるか?」と問われて、後半22分から出場した香川真司は「そうですね。最後のところで精度を欠いたと思います」と、間髪入れず答えた。

 低迷期を脱し、ドルトムントが強さを取り戻したのは2010~2011シーズンのことだった。ちょうど香川が加入したシーズンだ。そこからブンデスでは2連覇、ドイツ杯も制した。2011~2012シーズンが終わると、ある意味で強いドルトムントの象徴だった香川はマンチェスター・ユナイテッドへ移籍した。外国籍選手であることと、ライバルにはなりにくい国外への移籍ということで、香川は快く送り出された。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る