インザーギの去就は?本田圭佑が戻ったミランの現在

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari
  • 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

オフィシャル誌編集長のミラン便り2014~2015(17)

 あれは9月、リーグ戦も第2節を終えた頃のことだった。私は皆さんに、あるイタリアの諺(ことわざ)をお教えしたはずだ。「良い一日は朝から分かる」と――。開幕から好調に2連勝を飾り、これほど良いスタートを切ったなら、このあとミランを待っているのはさぞかし明るい未来だろうと、そう思ってのことだった。

 しかしそれから4ヵ月、ミランが直面しているのは全く正反対の状況だ。良くなるはずだった一日は今、悪夢に変わろうとしている。ミランはここ4試合で勝ち点をたった1ポイントしかあげていない。唯一の明るいニュースはコッパ・イタリア戦でサッスォーロに勝利したことだけだ。

進退が取りざたされているインザーギ監督(BUZZI/FOOTBALL PRESS)進退が取りざたされているインザーギ監督(BUZZI/FOOTBALL PRESS) 世論とメディアの注目は監督の去就に集中している。ミラン自体としては正式に何のコメントもしてはいないが、今現在、ピッポ・インザーギのミランでの監督生命が、細い糸でどうにかつながっているのは誰の目にも明らかだ。この火曜日(現地時間)のコッパ・イタリア準々決勝の結果いかんで、続投か更迭か、インザーギの命運が決まることとなるだろう。ちなみに対戦相手は、またしてもラツィオ。この土曜日のリーグ戦で敗れた(結果は1-3)相手であり、今シーズン最も好調なチームの一つでもある。

 それにしてもミランは一体どうしてしまったのか? その答えは簡単には見つからない。2014年のクリスマス、ついにミランはそのサポーターに、自分たちらしいプレイのできるチームをプレゼントできるようになったように見えた。ナポリ、ローマとリーグ上位のチームにひけを取らず、おまけにドバイの冬期キャンプ中には、親善試合とは言えレアル・マドリードに勝利したのだ。ついにミランが本格的に調子を上げ始めたと誰もが信じた。

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