勝てない香川のドルトムント。昨季のマンUとの大きな違い

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 ブンデスリーガ第16節。ドルトムントは12月17日(現地時間)、ボルフスブルクと対戦し、2-2で引き分けた。いったんは勝ち越したドルトムントだが、85分にコーナーキックから追いつかれた。香川真司はブンデス3試合連続で出場機会がなかった。

 ドルトムントが勝てない。負けるはずのないチームが勝てない。香川が苦しむ姿と合わせて、それは昨季のマンチェスター・ユナイテッドを思いおこさせる。とはいえ順位は1年前のユナイテッドとは全く比べものにならず、降格圏あたりをうろうろ。16節終了時点で18チーム中16位という有り様だ。

 当然、メディアも手厳しくなる。前節、ヘルタ・ベルリンに敗れた際には、ファンへの挨拶へ向かわなかったDFフンメルスの行動が取りざたされた。腰痛を押して出場したフンメルスだったが、試合後は失意の表情で足早にロッカールームへと入っていった。チームメイトたちはサポーター席への挨拶に行き、負けても負けてもブーイングをしないサポーターの歌声を、うなだれながら聞いていたのにもかかわらず、だ。翌日はフンメルスの態度を問題視する記事が出回った。

ボルフスブルクと引き分けたドルトムントのクロップ監督ボルフスブルクと引き分けたドルトムントのクロップ監督 だが、どれだけ順位が落ちようとも、現状ではクロップ監督への批判は少なく、交代論など皆無といってもいい。1年前、マンUの監督だったデイビッド・モイーズが、負けるたびに解任、解任と言われ続けたのとは大違いだ。

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