新システムも機能。クラシコ勝利でレアルが得たもの

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi
  • 川森睦朗●写真photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFPTPGRAFIA

 10月25日、サンティアゴ・ベルナベウで行なわれたレアル・マドリード対バルセロナのクラシコ。結果はホームのレアル・マドリードが3-1で逆転勝利を収めた。試合前こそメッシのリーガ最多得点のセレモニーやルイス・スアレスのデビューなど、アウェーチームのためのような雰囲気があったが、終わってみればレアル・マドリードが首位バルセロナとの勝ち点差を1に縮めた以上に多くのものを得た試合だった。

攻守にわたって輝きを見せたイスコ(レアル・マドリード)攻守にわたって輝きを見せたイスコ(レアル・マドリード) 今季ここまで最多得点のレアル・マドリードと無失点無敗のバルセロナ。中国の故事にる矛と盾のような両者の対決だったが、矛が盾を突き破る結果となった。クリスティアーノ・ロナウドは同点となるPKを決め、これで欠場したレアル・ソシエダ戦を除き、全ての試合で得点を記録。一方、ここまで無失点だったバルセロナのGKブラボは35分にその失点により記録が打ち消された。

 ここ数年のクラシコに関して言えば、一段上をいくバルセロナに対し、レアル・マドリードが食らいつくという形が多かったが、今回は違った。開始早々、ネイマールに先制点こそ許しはしたが、アンチェロッティ監督が試合後の会見で語ったように、慌てることなく自分たちのサッカーを貫き、前半にしっかりと同点にし、後半に落ち着いて逆転劇を演出する。

 レアル・マドリードがこの日、バルセロナを上回ったプレイをしていたことを証明するものがあるとすれば、カードがその1つだろう。これまでの戦いではファール覚悟のレアル・マドリードのプレスに主審から多くのカードが突きつけられたが、今回は前半だけでバルセロナに4枚のイエローカードが提示された。

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