本田圭佑はそのプレイでスポーツ紙の主役になった (2ページ目)
今のミランは、オフェンスは非常にうまく機能している。本田とメネスを見れば、今のミランに何ができて、何を重要に考えているかがよくわかる。メネスはゴール前で変化に富んだ攻撃を見せ、本田は右に控え、同じく右サイドにいるSBアバーテからのボールを受けてゴールを狙う。アバーテは今シーズンのここまでのベストアシストマンだ。
対してもう一度見直す必要があるのが守備だろう。5試合で9失点はあまりにも多すぎる。トップが点を取っても、同じくらい失点してしまえば勝てるわけはない。勝利するチームを作るには、ゲームを組み立て、攻撃をスタートさせるDFというポジションが非常に重要だ。少なくともイタリアではそうだし、ほかの国でも多くの場合がそうだと思う。
そしてミランは、まさにそのことをよく知っているチームのはずだ。バレージ、コスタクルタ、タソッティ、マルディーニ、ネスタ、チアゴ・シウバ......優秀なDF陣が揃っていた時代と、ミランが世界のサッカーを支配していた時期とが重なるのは決して偶然ではない。
今のミランのディフェンスは建設中といった状態である。なかなかメンバーも揃わない。ゴールを守っていたディエゴ・ロペスはパルマ戦でハムストリングを負傷し、今は10月19日の復帰を目指している。ブラジル人のDFアレックスも2試合欠場していたが、日曜の試合でやっとピッチに戻った。アレックスは守備を改良していく上でのキープレイヤーになると思われる。
ラミ、ザパタ、ボネーラは決して悪い選手ではないが、この守備陣には冷静にDFラインを指揮できる人間が欠けている。攻められても浮き足立つことなく冷静に対処できる存在が必要だ。チアゴ・シウバがPSGに移籍してしまったのはミランにとっては大きな痛手である。
さて、本田に話を戻すと、エンポリ戦での彼はこれまでの試合に比べると少し活躍が少なかった。しかしこれは本田だけではなく、チーム全員に言えることだ。その中では本田はボールを持ちプレイに参加していたほうだろう。たぶんこの日の動きには、思いのほかの暑さと、7日間で3試合というタイトなスケジュールが影響していたのではないかと思う。得意なFKも、壁に当たった後、GKにファインセーブされてしまった。
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