ポスト・ラームの時代へ。新陳代謝を始めたドイツ代表

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 各国の代表チームが生まれ変わり、再スタートするこの9月。ブラジルで世界王者となったドイツは、W杯決勝と同じカードであるアルゼンチンとの対戦で、次の4年間の幕をあけた。

 4つの星、つまり4回のW杯制覇を強調したセレモニーから始まった親善マッチ。ホームでの対戦ながら、結果は2-4の敗戦で終わった。だが、7日に始まる欧州選手権予選を前に、アルゼンチン戦の前後には勝負そのものよりも重要なイベントがいくつか組まれていた。

アルゼンチン戦を前に表彰された、代表引退のラームアルゼンチン戦を前に表彰された、代表引退のラーム 一つ目は、代表引退を発表した選手たちを送り出す儀式だ。代表の主将として活躍したフィリップ・ラーム、W杯通算16ゴールの記録を樹立したミロスラフ・クローゼ、104試合出場のペア・メルテザッカーという3人のベテランに対して、アルゼンチン戦の前に花束が贈呈され、これまでの活躍を称えて新たな船出を祝した。7日に行なわれるスコットランド戦は公式戦のため、ここが舞台に選ばれたのだろう。

 そしてもう一つは新しい代表キャプテンの発表だ。ラームは2010年南アフリカW杯を前に、バラックから引き継ぐ形で主将になった。83年生まれのラームは当時26歳。W杯に臨む代表主将としてはドイツ史上最年少だった。

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