18年ぶりリーガ制覇!シメオネがアトレティコにもたらしたもの

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSU FOTOGRAFIA

 カンプノウで行なわれたリーガ・エスパニョーラ最終節、バルセロナ対アトレティコ・マドリードは1対1の引き分けに終わり、アトレティコ・マドリードが1995~1996シーズン以来、18年ぶり10度目のリーガ優勝を飾った。

 主審マテュー・ラオスが試合終了の笛を鳴り響かせると、負傷交代の悔しさから溢れ出る涙をこぼしていたエース、ジエゴ・コスタにも笑みが生まれ、痛む足を引きずりながら監督シメオネらと共に歓喜の渦の中へと飛び込んだ。

リーガ優勝を決めたシメオネ監督(アトレティコ・マドリード)リーガ優勝を決めたシメオネ監督(アトレティコ・マドリード) 満員のスタジアムは新たなリーガ王者を祝福。この試合、あと1点をもぎ取れば連覇を達成したバルセロナだが、満員のカンプノウは、愛するチームよりもアトレティコ・マドリードが王者に相応しいことを認め、アトレティコ・コールと大きな拍手が自然に生まれていた。

 リーガというより欧州のメガクラブであるバルセロナ、レアル・マドリードとの優勝争いを制したシメオネ率いるアトレティコ。だが、シーズン序盤、彼らの優勝を心から信じているものは皆無だった。

「どうせ、昨季のように息切れを起こし、シーズン終盤にはいつも通りの2強の優勝争いになるはずだ。ともかく、リーガを盛り上げるために出来るだけアトレティコには頑張って欲しい」というのが一般的な見方。一部のアトレティコサポーターを除く誰もが、マドリード第2のクラブをリーガの引き立て役としか見ていなかった。

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