CL準決勝でレアル先勝。スペイン人の目にバイエルンはどう映ったか

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi
  • photo by Getty Images

 サンティアゴ・ベルナベウ(マドリード)で行なわれたチャンピオンズリーグ準決勝第1戦は、レアル・マドリードがベンゼマのゴールでバイエルン・ミュンヘンに1対0と先勝。第2戦に向けて小さいアドバンテージを手にした。

貴重な先制ゴールを決めたカリム・ベンゼマ貴重な先制ゴールを決めたカリム・ベンゼマ「フィーゴは温かい玉を握るだけだ」と言ったのはダニエウ・アウベス(バルセロナ)だった。CL決勝トーナメントの組み合わせで、バルセロナがマンチェスター・シティやアトレティコ・マドリードといった厳しい相手と当たったのに対して、レアル・マドリードは対戦相手に恵まれているとして、抽選の際に何らかの操作が行なわれたのではないか、という皮肉である。ちなみに抽選を行なったフィーゴは元レアル・マドリードのスター選手。バルセロナからレアルへ電撃移籍した"裏切り"を今もバルセロナファンは忘れていない。

 だが準決勝のカードは決勝でもおかしくない一戦となった。欧州王者であり、バルセロナの黄金時代の旗頭であったグアルディオラが率いるバイエルンに対して、スペイン国内では試合前から大きな警戒と敬意に溢れていた。

 とはいえ90分の戦いを終えてみると、印象はまるで違うものだった。確かにバイエルンのボール支配率は64%という高さを誇り、今のバルセロナにはない前線からのプレスは、レアル・マドリードに前を向かせない、「強いバルセロナ」のサッカーを感じはさせた。

 だが、黄金時代のバルセロナに比べると全く怖さを感じることがない。実際、バイエルンは85分のMFゲッツェのシュートまでカシージャスを脅かす決定機を作ることができなかった。ペペ、セルヒオ・ラモスのCBコンビの前に、バイエルンの攻撃陣はエリア内で仕事らしい仕事ができずにいた。

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