12年ぶりW杯出場のベルギー。ダークホースと呼ぶには強すぎる!

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by GettyImages

 W杯欧州予選A組。ベルギーとクロアチアは、そこで1、2位争いを演じていた。優位に立っていたのはベルギー。予選2試合を残して、クロアチアに勝ち点5差をつけていた。
 
 10月11日、クロアチアの首都ザグレブで行なわれた直接対決は、ベルギーにとって、引き分けでも本大会出場が決まる試合だった(結果は2-1でベルギーの勝利)。
 
クロアチア戦で2ゴールを決めたロメロ・ルカククロアチア戦で2ゴールを決めたロメロ・ルカク 後がないホームのクロアチアは、開始直後から前に出ようとした。その意志を見せた。ベルギーもそれに合わせるかのように慎重に対応した。攻めるクロアチア、守るベルギー。だが、クロアチアはなかなかボールを前に運べない。

 理由は2つ。クロアチアのサッカーが守備的だったことと、ベルギーが強かったことにある。クロアチアは先の韓国遠征で採用した3バックをこの試合でも採用。3バックにもいろいろあるが、この3バックは5バックになりやすく、かつ、前に行くほど細くなるクリスマスツリー型を描く。高い位置でサイドにボールが収まらないので、パスコースに広がりがない。ボール支配率が上がりにくく、絶対に勝利が欲しい試合には適さない布陣だ。

 それでも相手が弱ければ、主導権は握れるが、相手のベルギーはそれを許すほどヤワではない。クロアチアがホーム戦にもかかわらず守備的サッカーで臨まざるを得なかったというべきかもしれない。両国の力にはそれほどの差があった。

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