伊代表FWエルシャラウィが語るザックジャパンの実力と本田圭佑

  • クリスティアーノ・ルイウ●取材・文 text by Cristiano Ruiu 宮崎隆司●翻訳 translation by Miyazaki Takashi

6月のコンフェデレーションズカップで日本と対戦し、4-3と逆転で勝利したイタリア。そのイタリア代表の若きアタッカーとして将来を嘱望されているステファン・エルシャラウィが、その目で見たザックジャパンの戦いについて、分析。ミランの攻撃のキーマンでもある20歳のFWが見た日本の長所と課題とは。

――エルシャ(エルシャラウィの愛称)、W杯を来年に控えた今、アルベルト・ザッケローニ監督が率いる日本代表について話を聞きたいと思います。来年のW杯ブラジル大会で難敵のひとつとなるはずの日本代表をどう見ているか。実際、6月のコンフェデ杯で、イタリアは徹底的に苦しめられました。ザック率いるチームを間近に見た印象を詳しく聞かせてください。

「本当に心の底から驚いた、驚かされたというのが偽らざる感想だよ。そのイメージは3カ月以上経った今もまだ鮮明に残っている。日本戦、ベンチにいた僕は戦況をきわめて客観的に見ることができた(エルシャラウィはブラジル戦とウルグアイ戦に出場)。本当に素晴らしいチームだとチームメイトとも話したよ。

今年21歳になるエルシャラウィはミランの若きアタッカーとして昨季はリーグで16ゴールを決めた photo by Getty Images今年21歳になるエルシャラウィはミランの若きアタッカーとして昨季はリーグで16ゴールを決めた photo by Getty Images きっとイタリアのメンバーだけではなく、あの試合を観た世界中のサッカーファンが同じような印象を抱いたはずだ。技術的に彼ら一人ひとりが高いレベルにあるのは知っていたけど、まさかチームとしてもあれだけの高い水準にあるとは思わなかった。それだけでなく、見劣りすると言われていたはずのフィジカルでも、あの日の日本代表は明らかにイタリアを上回っていた。

 たしかに、0−2とイタリアがリードされる状況になってから、日本に「試合運び」と「守り」のミスが少なからずあったのは事実かもしれない。それでも、僕らがより強く感じたのはむしろ、リードしている状況でも果敢に攻めてきた彼らのスピリット。本当に脅威だった。

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