香川真司がトップ下で披露した「プレミア1年目との違い」

  • 鈴木英寿●文 text by Suzuki Hidetoshi
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 香川真司のプレシーズンが、ついにスタートした。マンチェスター・ユナイテッドで2年目を迎えるスタート地点は、横浜・日産スタジアム――。ユナイテッドはすでにタイ、オーストラリアで親善試合を行なってきたが、FIFAコンフェデレーションズカップ出場によってクラブから休暇を与えられた日本代表の10番は、このジャパンツアーからの参加となった。

プレシーズン初戦はトップ下のポジションでスタート。香川真司のユナイテッド2年目が始まったプレシーズン初戦はトップ下のポジションでスタート。香川真司のユナイテッド2年目が始まった 横浜F・マリノスとの親善試合、見どころはいくつかあった。ただ、最大のポイントは、デイビッド・モイーズ新監督のユナイテッドで、香川がどんなプレイを披露してくれるのかに他ならない。

 この試合のマン・オブ・ザ・マッチ(MOM)は、わずか30分のプレイにもかかわらず、香川が選ばれている。この点について試合後の指揮官は、「たしかに香川がMOMと言えるかどうか」と言葉を濁したものの、次のように香川を評していた。

「今回、初めて香川のプレイを見たが、なかなか良かったのではないか。決定的な場面、ゴールできる場面を作っていた」

 ユナイテッドの布陣は、昨季と同様の4-2-3-1。スターティングメンバー、守護神はダビド・デ・ヘア。4バックはファビオ・ダ・シウバ、フィル・ジョーンズ、ジョニー・エバンズ、パトリス・エブラ。守備的MFはトム・クレバリーとアンデルソン。攻撃的MFの3枚はウィルフレッド・ザハ、アドナン・ヤヌザイ、ジェシー・リンガード。そして1トップは昨季得点王のロビン・ファン・ペルシーである(以上、いずれもフォーメーションの並びは右から)。

 試合は、マリノスが開始早々にマルキーニョスのゴールで先制。その後、一進一退の攻防が続いた。48分、スタジアムを真っ赤に染めるユナイテッドサポーター側のゴール裏で、香川がウォーミングアップを開始。ファンは大歓声で彼を迎えた。さらなる歓声が沸き起こり、スタジアム中でカメラのフラッシュがたかれたのが62分。日本のファンが待ちに待った、『マンチェスター・ユナイテッドの香川真司』が若手のヤヌザイに代わって投入されたのである。配置されたのはトップ下。指揮官から求められていたのは、ゴールを奪うプレイ、そしてゴールに絡むプレイだ。

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