【イングランド】マンU香川真司を苦しめるヨルダン戦のショック

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by GettyImages

サンダーランド戦に先発、後半34分までプレイした香川真司サンダーランド戦に先発、後半34分までプレイした香川真司 ヨルダンにまさかの敗戦を喫した4日後、香川真司はマンチェスター・ユナイテッド対サンダーランド戦に先発出場した。立ち上がりこそ積極的な動きを見せたが、その後は特に見せ場もなく、後半34分に途中交代した。試合は1-0でマンチェスター・ユナイテッドが勝利し、リーグ戦首位を独走している。

「代表戦があり、昼間の試合だったということもあって疲労感があった」と認めつつ、さらに正直に明かした。

「移動の疲れよりも、メンタルの切り替えが難しかった。代表で負けてそのあとすぐの試合だったので。まだ切り替えられていないので、切り替えてチェルシー戦(中1日で行なわれるFAカップ)に臨めるようにしたい」

 カナダ戦、ヨルダン戦の香川のパフォーマンスは好調とは言いがたかった。ヨルダン戦では得点こそ決めたが、ミスが多く、ゴール前で流れを分断することもあった。本田圭佑を欠くこのヨルダン戦で、香川に求められたのは何よりもチームを引っ張る中心選手としての働きだった。所属チームの格で言ったら、香川は間違いなく日本代表の筆頭に立つ。欧州に渡ってからクラブでの実績、得点や優勝回数といった数字という意味でも香川に並ぶものはいない。期待されるのは当然で、香川自身もそんなことは承知だったからこそ、結果を重く受け止めたのだろう。

 このところ、マンUでの香川の出場機会は減っていた。パフォーマンスが思わしくないために出場機会が減っているのか、それともファーガソン監督が徹底するターンオーバー制のせいで自分のペースを保ち切れず、パフォーマンスが上がらないのか。にわとりと卵のように、どちらが先かは分からないが、代表合宿中、「出場機会が少ない中で、いかに自分をコントロールしているか」を尋ねてみると、香川は少々気色ばんで答えの矛先を変えた。触れられたくない話題のようだった。

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