【ドイツ】W杯予選へ、酒井高徳「自分が日本代表だと言えるようになりたい」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Kenzo Koba

マッチアップする酒井高徳(シュツットガルト)と乾貴士(フランクフルト)マッチアップする酒井高徳(シュツットガルト)と乾貴士(フランクフルト) 3人の日本代表選手が同時に先発でピッチに立ったフランクフルト対シュツットガルト。現在は11人の日本人選手がブンデスリーガ1部に所属しており、日本人対決はさほど珍しいことではないが、3人同時先発(フランクフルトの乾貴士、シュツットガルトの岡崎慎司、酒井高徳)はそうめったにあることではない。とはいえ、それも当たり前の光景のように見えてしまうのは、それだけ彼らが活躍しているからということなのだろう。

 試合は2-1でシュツットガルトが逆転勝利を収めている。

 この試合前の時点、つまり第25節終了時点でフランクフルトは5位。今季の昇格チームではあるが、3位以内に入り来季のチャンピオンズリーグにストレートで進出するのが目標だった。だが、シュツットガルト戦に敗れたことで6戦白星なし。この日の1得点が実に2月2日以来という不調に陥っている。

 シーズン開幕当初から前線からのハイプレッシャーとショートカウンターを売りにしていたが、後半戦に入り疲労が見え隠れする。あるいは走れなくなった時期の低迷は想定内だったかもしれない。そう考えると未だ5位につけているのは上々だ。

 一方のシュツットガルトも負けず劣らずの不調ぶり。試合前の時点で14位。後半戦に入ってリーグ戦ではわずかに1勝のみだ。ドイツ杯で勝利した相手は2部のボーフムだったし、16強まで進出したヨーロッパリーグもラツィオに2連敗。負けたことよりも内容の悪さが気になる試合が続いていた。中盤がバランスを気にせず前がかりに攻撃をしかけるため、空いたスペースを使われたカウンターであっさり失点する。最終ラインから組み立てたくても、バランスとタイミングが合わず手詰まりになる。そんな試合が目につく。


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