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【イングランド】伝統の一戦に勝利のマンU。香川真司の試行錯誤は続く (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 香川自身も、多くのことを感じて試行錯誤をしながら日々を戦っている。
 
 とはいえ、この日はいくつかの決定的な場面もあった。一つは19分の先制点のシーン。キャリックから香川、クレバリー、ウェルベックと高い位置で短いパスがつながって左に展開、エブラが入れたクロスをファン・ペルシーが決めた。ファン・ペルシーは、香川を含めてゴールに関わったメンバーの名前を挙げながら「すばらしいコンビネーションから生まれた信じられないゴール」と、満面の笑みでMUTVに語っている。

 前半終了間際の45分には、ラファエルのクロスに中央でファン・ペルシーが合わせシュート。ディフェンダーにあたったこぼれ球に香川が2列目から飛び出して合わせるが、体勢を崩してGKのレイナに体ごと突っ込んだ。気迫溢れるシーンでもあった。香川は「惜しかった。相手におされて体勢を崩してゴールできなかった。その一瞬一瞬が大切だと、集中してた」と、悔しさを露(あらわ)にした。

 後半19分には、ウェルベックのパスが相手DFにあたったこぼれ球に合わせてシュートを放つが、これはレイナのファインセーブに防がれる。スカイスポーツが「リバプールのキーパーがフライングしながら香川(のシュート)を防いだ」と、GKを称えるくらいの決定的なシーンだった。香川は「決めないと。そういうところで決めるか決めないかの世界だから」と、唇をかみしめた。

 結果は2-1でマンUの勝利。試合全体を通して見ると、噛み合わないシーンも多いとはいえ、香川がゴールの雰囲気を感じさせるようになっているのも確か。その口からはいつものように厳しい言葉ばかりが吐き出されたが、それでも少しずつ、手応えを感じている様子でもあった。

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