【イングランド】香川真司、ボランチで途中出場。「試合に出ることに感謝」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 交代したのはボランチのキャリックで、香川はそのままボランチに入った。練習でも試したことのないポジションなのだそうだ。

「無失点で抑えることが大事だった。まあ(得点を)入れられずに来ていて、3-0で勝ってたので、あのポジションに入ったということはそこを求められたのかな、と。あとは攻撃でチャンスがあれば出ていきたかったですけど」
 
香川はボランチでの投入の意図を彼なりにくみとってプレイした。だが、そのプレイはあまりにも守備的。クレバリーとバランスを取り合うというのでもなく、フラットな状態で守備を優先させていた。たとえ前にスペースがあっても前線に預けただけで出ていくことはしない。81分にはロングボールをギグスに供給しチャンスを演出するが、香川自身がその先に絡むことはなかった。89分にファン・ペルシーが追加点をあげて4-0となると、ロスタイムには味方とのパス交換から一気にペナルティエリア内に走り込む。ウェルベックが右サイドからクロスを入れるがこれはディフェンダーに弾かれ、香川はシュートを打つことなく終わった。 

「やっぱりペナルティエリアに入っていきたいですし、(後半ロスタイムのシーンでボールを)もらえなかったですけど、続けてやっていくしかない。感覚は悪くないですし、次のチャンスに生かせるように頑張っていきたいです」

 取材中、香川は「まだ復帰から2試合目なので」と繰り返した。納得いくプレイでは決してないが、自らの力で実現していくしかない。「試合に出ていることに感謝している」とも言う。名門で自分の納得のいくポジションを手に入れることは、当然ながら簡単なことではない。

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