【クラブW杯】今年の決勝は面白い!
「攻撃力のチェルシー」対「堅守のコリンチャンス」

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

フェルナンド・トーレスがゴールを決め、喜ぶチェルシーの選手たちフェルナンド・トーレスがゴールを決め、喜ぶチェルシーの選手たち やはりスター軍団は強かった。

 クラブW杯準決勝。ヨーロッパ王者にして、今大会の優勝候補でもあるチェルシーは、北中米王者のモンテレイと対戦した。

 相手のモンテレイは、準々決勝で蔚山現代に3-1と快勝。ショートパスとドリブルを巧みに組み合わせた攻撃で、アジア王者を圧倒していただけに、チェルシーに対しても高い攻撃力で十分対抗できるのではないか。そんな期待も膨らんでいた。

 ところが、フタを空けてみればチェルシーが3-1で勝利。試合終了間際に1点こそ失ったものの、危なげのない試合運びで完勝したのである。

 モンテレイのブセティク監督が「(チェルシーと)同等の力を見せられた時間もあった」と話したように、90分間のなかには、明らかにモンテレイ・ペースの時間もあった。だが、1試合をトータルで考えれば、そんな「モンテレイの時間」さえ、チェルシーの想定内だったように見えた。

 前後半とも、序盤は一気呵成(いっきかせい)に攻め込む。そして、ゴールを奪った後はペースダウンし、相手の攻撃を受けとめながら効果的なカウンターを仕掛けていく。そんなしたたかさが、チェルシーには確かにあったからだ。

 圧巻だったのは、後半立ち上がりの時間帯である。チェルシーはわずか3分間で2点を追加し、あっという間にリードを3点に広げ、「そこで勝負がついてしまった」とブセティク監督。一矢を報いるゴールを決めた、モンテレイのFWデニグリスも、「後半すぐに2点を失ったところにチェルシーとの差が出た。その後、立て直すことができなかった」と振り返った。

 申し分のない快勝に、チェルシーのラファエル・ベニテス監督は満足気な様子で口を開く。

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