【ドイツ】現地メディア、ファンが注目する乾貴士の魅力 (2ページ目)
「次にもしチャンスがきたらしっかり決めたいです。まず、3試合連続を狙っていきたいです」と、正直に語った。
この試合ではフライブルクに上手く守られてしまった。フライブルクは14位と、けっして上位にいるわけではないが、昨季終盤に躍進を見せたチームだ。メンバー構成のバランスが良く、若く無名だった指揮官がうまくチームをまとめている。
チャンスと見ると、中盤から前が一気に攻めるのがフランクフルト。選手には運動量も攻守の切り替えのスピードも求められるのだが、全体がぐっと攻め上がるシーンではスタジアム全体が盛り上がる。
27分には中盤でパスがつながり、乾がシュートまでいくがこれはGKの正面に。「ああいうところ決めないとチームに迷惑がかかる」と振り返った。
後半の69分には相手のCKから味方がドリブルで上がり始めると、乾も左サイドを一気に駆け上がる。相手はついてこない。パスを受けた乾はGKと1対1になるが、これはシュートが流れゴールラインを割ってしまう。
「技術の問題なのでね。へたですね」(乾)
結局フランクフルトはエース、マイヤーが2発を決め、2-1で逆転勝利する。「ああいうのがエースなんだなと思った」と、乾は感慨深そうに語った。単に自身が得点を決めることができなかったということより、チームを勝たせるゴールをあげることができなかったことへの悔しさがにじんだ。
今季の乾には、ゴールだけでなく、チームへの貢献の意識の高さがうかがえる。切り替えの早さが要求されるフランクフルトのサッカーだが、中でも乾が強くそれを意識していることは一目瞭然だ。単に守備意識の高さに留まらず、あらゆる場面でチームへの貢献を強く意識しているように見えるのだ。
「今はチームのために走ろうと思っている」
今の乾はうまいだけでなく、チームのために献身的に走る選手になった。ドイツのファンにとってもこれが一番魅力的なのではないだろうか。
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