【スペイン】現地メディアが報じた「五輪代表、日本に敗北」

  • ホセ・ルイス●文 text by Jose Luis
  • photo by JMPA

大津の専制ゴールに呆然とするコケ(アトレティコ・マドリード)大津の専制ゴールに呆然とするコケ(アトレティコ・マドリード) 日本のサッカーファンが注目した一戦、スペイン対日本は、大津のゴールで1対0と日本が勝利した。20年ぶりの金メダルを目標に掲げてきたスペインにとってまさかの黒星。現地メディアはスペインの良さを打ち消した日本の疲れを感じさせないプレッシングサッカーを高く評価している。

 試合序盤こそ余裕があった。試合を放送したTVE(スペイン国営放送)は「グループリーグで1番難しい相手。スピードのあるチームでカウンターが脅威。前線から激しいプレッシャーをかけ続けることで、技術をカバーする運動量を持つフィジカルのチーム」と、『キャプテン翼』以外は日本のサッカーに関して知らないスペイン国民に日本チームを紹介していた。

 スペイン紙マルカのインターネットリアルタイム速報も、「90分このサッカーが続くことはない。そのことをわかっているチームは落ち着いたパス回しを見せている」と、試合開始からフルスロットルでプレッシャーをかけ続ける日本の体力が続くはずなく、そのうち落ちるだろうと楽観視していた。

 だがその余裕が、永井がチャンスを作り出すたびに薄らいでいく。TVEは「永井のスピードは危険。献身的な運動量でプレッシャーをかけチャンスを作り出し、スペインDFを悩ませ続けている」「五輪で活躍を続ければ、ドイツでプレイするチームメートに続いて、彼は欧州で新シーズンを迎える可能性が高い」と、賛辞を贈った。

 大津のゴールによる失点も、まだ時間が多く残されていたことから、焦ることはなかったが、イニゴ・マルティネスが退場処分になり、解説者、コメンテーターから余裕の二文字は完全に消え失せた。

 TVEのコメンテーターは、90分の戦いが終わると、「日本の決定力のなさに助けられたが、スペインを上回るプレイだった。スペインが本来やりたいサッカーをしている」と、素直に完敗を認めるコメントを残した。

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