【EURO】連覇に暗雲? 優勝候補スペイン代表の不安要素

  • 山本美智子●取材・文 Text by Yamamoto Michko
  • photo by Getty Images

2008年のユーロに続き、今大会も優勝を狙うスペイン代表2008年のユーロに続き、今大会も優勝を狙うスペイン代表 ユーロ2008、2010年ワールドカップ南ア大会を制したスペイン代表が、今年はユーロでの連続優勝を狙う。その監督である、ビセンテ・デル・ボスケが本大会に向けての最終リストをようやく発表した。

■スペイン代表メンバー
GK カシージャス、V・バルデス、レイナ
DF アルベロア、フアンフラン、セルヒオ・ラモス、ピケ、ハビ・マルティネス、アルビオル、ジョルディ・アルバ
MF ブスケッツ、シャビ・アロンソ、シャビ、セスク、イニエスタ、カソルラ、マタ、ヘスス・ナバス、ダビド・シルバ
FW ペドロ、ネグレド、F・トーレス、F・ジョレンテ

 デル・ボスケ監督自身、ここまで厳しい代表リスト作成を強いられたのは、初めてだっただろう。まずはディフェンスの要、ベテランセンターバックのプジョルを負傷で失った。そして、ここ4年、攻撃の主軸を担ってきたFWダビド・ビジャもいない。ビジャは昨年のクラブワールドカップでのケガの後、ユーロ出場を目標にリハビリを続けていたが、最終的には間に合わなかった。

 デル・ボスケ監督にとって文句のつけようのない主力だったこのふたりの不在は、スペイン代表にとって非常に痛い。

 とりわけ、ダビド・ビジャの戦線離脱は、デル・ボスケ監督が「彼の代わりを務められる選手はいない」と言うほどの大きな痛手だ。

「ビジャなしにワールドカップでの優勝はなかった」とチームメイトのカソルラが話したとおり、前回のユーロでも、W杯南ア大会でも、決定機を逃さずに得点を決め、スペイン代表史上最多得点の記録を手にしているビジャが抜けた穴は大きい。その穴を果たして無事に埋めることができるのか、注目が集まる。

 最終的に選ばれた攻撃陣は、FWフェルナンド・トーレスとフェルナンド・ジョレンテの「ダブル・フェルナンド」。トーレスは今年、スペイン代表ではシーズンを通して控えであり、所属するチェルシーでもスタメンに定着できずにいた。だが、チャンピオンズリーグでは、準決勝のバルセロナ戦でゴールを決め、決勝でドログバの同点ゴールを生み出したCKのきっかけを演出するなど、キレのいい動きを見せた。

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