【ドイツ】バイエルン下したドルトムント、香川の「うれしさと悔しさ」

  • 了戒美子●文 text Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

バイエルン戦で後半29分まで出場するも、チャンスを決められなかった香川バイエルン戦で後半29分まで出場するも、チャンスを決められなかった香川  勝ち点3差で迎えた第30節、首位ドルトムントと2位バイエルンの対決。残り試合数から考えても、この一戦が優勝争いの大一番であることは間違いなく、注目を集めていた。

 ミッドウィーク開催という変則日程だったこともあり、前々節の終了時というかなり早い段階から、キッカー誌やビルト紙は対決ムードをあおり出した。負傷離脱中のゲッツェが復帰するのではないかという記事(結局はベンチ入りにもほど遠かった)から始まって、ドルトムントのクロップ監督のそっくりさん芸人(クロッポさん。髪型と眼鏡とアクション以外はそれほど似てない)による予想まで、毎日の情報は充実していた。
 
  試合は1-0でドルトムントの勝利に終わった。

 互いに決定的な形を作り切れないまま0-0で時間がすぎたが、後半32分に左のショートコーナーからの流れで、グロスクロイツが右足シュート。それをレバンドフスキーが左足でコースを変えて流し込んだ。

 その後、ロッベンの左足シュートはGKワイデンフェラーがキャッチ。安堵のため息がスタジアムを包んだ。ロスタイムには、ゴール前でのスボティッチのヘディングのクリアがバーを直撃、あわやオウンゴールかという苦笑がもれるようなシーンも。緊張感溢れる試合を制して、ドルトムントの選手たちはまるで優勝したかのように大はしゃぎだった。一方、バイエルンはぐったりとピッチに倒れ込む選手が続出した。ドルトムントは優勝をたぐり寄せる、貴重な勝利を手にした。

 残念なのは、この試合で香川真司が精彩を欠いたことだ。疲労からだろうが、前半から動きが重い。相手ボランチ、ルイス・グスタボらから厳しいチェックを受けたこともあり、ゴール前に顔を出すシーンも少なく、かといって引いてさばけるわけでもない。ベストな状態の香川とはほど遠いものだった。

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