【ドイツ】ドルトムントのお株奪ったシュツットガルト、酒井高徳の成長

  • 了戒美子●文 text Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

ドルトムント対シュツットガルト戦、酒井と香川がマッチアップするシーンも見られたドルトムント対シュツットガルト戦、酒井と香川がマッチアップするシーンも見られた ドルトムント対シュツットガルトの4-4という結果は予想しがたいものだった。この試合の前まで、ドルトムントはカップ戦を含め15戦無敗。そのうち引き分けは3回で、残る12戦のうちカップ戦で延長にもつれこんだのが2試合、10試合は純粋に90分で勝利している。この成績ではそもそも勝利以外の結果を想像すること自体が難しい。

 シュツットガルトも直前の5戦は負けなし。4得点の試合が続くなど、確かに調子を上げてはいた。それでもドルトムントをホームで追いつめるのは至難の技に思えた。だが、それをやってのけたのだ。

 ドルトムントの先制点は33分。シュメルツァーのあげた左からのクロスを中央でケールが上手くヘディングで落とし、走り込んだ香川真司が右足を振り抜いた。そこまで何回かチャンスを迎えながらわずかに枠を捉えられないでいたが、決め切るところはさすがだった。

 後半4分にはブラシコフスキーが追加点をあげて2-0に。8万人の大観衆を背にしたホームでの2-0は限りなく"勝ち"に近い。だが、この日はそうはいかなかった。

 シュツットガルトが反撃に転じ、逆転に成功する。酒井高徳は、この時間帯に諦めなかったチームについて胸を張った。

「僕が加入する前に聞いていたよりも、チームは団結できている。今日はほかの人の分まで走ることができていたのがよかった」

 小気味良くプレスをかけ、相手のミスを逃さずカウンターにつなげる、ドルトムントのお株を奪うようなサッカーを見せた。

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