【ドイツ】香川真司バースデーゴールと試合後に集まった現地報道陣

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

ブレーメン戦前半8分、先制ゴールをあげた香川ブレーメン戦前半8分、先制ゴールをあげた香川 3月17日のブレーメン戦で、ドルトムントの香川真司はバースデーゴールを決めた。公式戦がちょうど誕生日とぶつかることも、その試合に中心選手として出場し得点を決めることも、記憶にないという。

試合後、選手たちがそろってサポーターに挨拶に向かう時のこと。同じ誕生日だったサンタナとともに、他の選手より一列前に押し出され、ふたりだけで挨拶を行なってエールを受けた。黄色く埋まり、壁のようにゴール裏にそびえたつことから「黄色い壁」と呼ばれるサポーターたちの声援は格別だ。
 
「うーん、もうなんていうか。言葉にならないですよね。ドルトムントならではのあの感じは......」

 普段は早口の香川が、ゆっくりと噛み締めるように振り返った。

 このブレーメン戦、ドルトムントにとっては少々難しい要素があった。前節アウェーのアウフスブルク戦で引き分け、連続勝利が10試合で途切れたのだ。最後に敗れたのは12月6日、チャンピオンズリーグ・グループリーグ最終戦のマルセイユ戦。その後、カイザースラウテルンに引き分けたものの、リーグ戦で8連勝、ドイツ杯でも2連勝している。その流れが一旦途切れた、次の試合だったというわけだ。
 
「前の試合のことを引きずらないようにと、週のあたまのミーティングで軽く話があった」と、香川も語る。

 前節、バイエルンは7得点をあげて大勝、勝ち点差を7から5につめられていた。ちょっとした拍子にリズムを壊すのが一番怖い。

 そして香川自身も13日の練習を休んでいた。アウフスブルク戦でも膝にテーピングが見られたが、膝痛のため病院へ行ったと発表されていた。このブレーメン戦では痛みが引いたそうで、テーピングは外して臨んだ。 

「ちょっと痛みがあったので。この時期なので、最大限の注意を払いながらやりたい」

 リーグ戦も終盤、大事な時期に来ている。

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