【ドイツ】首位奪取!ドルトムントが序盤の不振を乗り越えた理由

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

ニュルンベルク戦で相手ディフェンスをかわしていく香川ニュルンベルク戦で相手ディフェンスをかわしていく香川 ドルトムントがついに首位に立った。

 第19節を終えた時点では、3チームが共に勝ち点40、得失点差によりバイエルン、ドルトムント、シャルケの順に並んでいた。第20節はドルトムントの試合が他よりひと足早い金曜日開催で、ニュルンベルクをアウェーで2-0と下し首位に立った。土曜日の昼間にはシャルケと、勝ち点39で4位につけるボルシアMGが共に引き分ける。その結果を知ってから試合に臨んだバイエルンも、少し前まで残留争いをしていたハンブルクを相手にドローに終わった。ドルトムントの勝利が精神的なプレッシャーをかけることにつながったのかもしれない。

 前半戦、好調だったバイエルンは、今季は圧勝するのではないかと思われた時期もあった。11月、チャンピオンズリーグのナポリ戦でシュバインシュタイガーが負傷で離脱するとその勢いはなくなったが、年明けには戦列復帰。ここからは優勢に進めるのではないかと思った矢先につまずいた格好だ。

 一方のドルトムントはシーズン序盤の不振が響き、チャンピオンズリーグ出場権獲得で精一杯かに見えたのだが、バイエルンとは対照的に徐々に順位を上げていき、ついに両者の順位が逆転した。

 ドルトムントにしても、昨季のような内容の高いサッカーで勝ち進んでいるわけではない。例えば14ゴールで得点ランク3位 につけるレバンドフスキーは決して技術的に高い選手ではなく、ゴールをする以上に多くのシュートを外してもいる。足下でボールが収まるわけではないから 攻撃のバリエーションも自然と少なくなる。バリオスに比べ、ボールを追う労力をあまり使わないため、香川真司らにかかる負担も増えた。

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