【スペイン】クラシコはドロー!それでも自信を取り戻したレアル・マドリード

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi
  • photo by Getty Images

試合後、握手をかわすモウリーニョ(左)とグアルディオラ試合後、握手をかわすモウリーニョ(左)とグアルディオラ 今季5度目の対戦を迎えたバルセロナとレアル・マドリードのクラシコ。ここまでの結果はバルセロナが3勝1引き分けと圧倒していた。FIFAベスト11に4名が選出されるなど、決してバルセロナに引けを取らないメンバーを揃え、リーガでも首位を走るレアル・マドリードだが、ことバルセロナの前では勝利の二文字は遠いものとなっていた。

「選手のタレントから言っても非常に強いチームであることは疑いの余地はない」と、バルセロナのご意見番であるヨハン・クライフもその強さを認めている。だが、「マドリードは運がない。なぜならバルセロナと同じリーグを戦っているからだ。他のリーグなら彼らが一番のチームだろう」と続けた。

 1月25日、カンプノウで行なわれた国王杯準々決勝第2戦はまさにその言葉が当てはまるものだった。レアル・マドリードはこれまでの対戦の中でも最高のパフォーマンスを見せていた。決定機で上回り、五分以上の戦いを繰り広げた。だがスコアは2対2。またしても勝利を手にすることはできなかった。第1戦(2-1でバルセロナの勝利)の結果と合わせ、ベスト4に進出したのはバルセロナだった。

 ただし、この日のレアル・マドリードのパフォーマンスが王者を脅かすだけのものであったことは間違いない。バルサの2点目を決めたダニエウ・アウベスは「今回のマドリードが今までの中で一番難しい相手だった。プレッシャーも激しく、良いサッカーをしていた」とライバルの強さを認めた。同点に追いつかれた後は、ここ最近見たことのない押し込まれる展開に、普段は左団扇(うちわ)で試合を観戦するカンプノウのサッカーファンの中にも不安な表情を見せる者がいたほどだ。

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