ウィルチェアーラグビー日本代表、豪州に快勝でリオパラ出場へ (2ページ目)

  • 瀬長あすか●取材・文 text by Senaga Asuka
  • 浅原満明/X-1●写真 photo by Asahara Mitsuaki/X-1

 日本は、エース池崎が相手を引きつけて高さのある池にボールをつないだり、ローポインターふたりがハイポインターをピック(相手の車いすをひっかけて止めること)し、コート全体で有利な状況をつくる活躍を見せ、リードをキープ。どちらも譲らない激しいタックルの応酬に観客も熱狂した。

 第3ピリオド、ベテラン島川慎一(3.0)を投入するも、すぐに池をコートに戻し、勝利への執着を見せた日本。しかし、第4ピリオドでオーストラリアのクリス・ボンド(3.5)に激しいプレッシャーをかけられ、1点差まで詰められてしまう。それでも、相手のミスを誘う粘り強さで乗り切り、最後まで走り続けた日本が勝利を掴んだ。

 ロンドンパラリンピック準決勝では45-59、世界選手権(デンマーク)準決勝では49-60で敗北を喫した相手。今大会の予選リーグで9年ぶりとなる勝利を掴んだ後の価値ある「2勝目」に、選手たちも充実の表情を浮かべて喜んだ。

 今大会の1週間前に参戦したワールドウィルチェアーラグビーチャレンジ(英国)ではオーストラリアに3点差まで迫り、自信を持って本大会に臨んでいた。日本はなぜ強豪に勝利できたのか。

 キャプテンの池は、「基礎を積み上げた集大成」と話す。

「個人のスキルやパフォーマンスが上がったうえで、この大会を迎えることができ、その精度が試合を重ねるごとに増していった」

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