潮田玲子が母親になって実感した「私のお母さんはすごいな」 バドミントン選手時代も今も支えてくれる母へ伝える感謝 (3ページ目)

  • text by Sportiva

【出産後に感じた母親の偉大さ】

――妊娠された時に理想の母親像はありましたか?

「完全に自分の母親が理想でした。自分が母親になってお母さんのすごさを感じますよね。もちろん母のことは大好きですし、昔もすばらしいお母さんとは思っていたんですけど、より一層お母さんってすごいなって自分が母親になってなおさら感じますね」

――どんなお母様ですか?

「うちの母親は、明るくて、おおらかです。先ほども言いましたが、自分が競技をやっている時は、とにかくオアシスな存在だったので、特に苦しい時は母親に電話をして、吐き出させてもらったりとか、元気付けてもらったりしていました。もちろん仲がいい分、ケンカも多くてぶつかることも多かったんですけど、最後まで味方でいてくれる人っていうのは現役の時も今も変わらないです」

――ふだんはどんな話をすることが多いですか?

「今は、どういう子育てをしてきたのかをすごく聞きますね。自分がどうっていう訳ではなくて、単純にオリンピアンを育てた人っていうことで、いろんなアドバイスとか、こういう時ってどういう声かけをすればいいの?とか。子どものことで悩んだりすると、母はハッとするようなアドバイスをくれるんですよね。人間って問題が起こるとひとつの面からしか見られなくなったりするじゃないですか。そういう時に違う角度からアドバイスをくれるので、ありがたいなと思っています」

――お母様との関係に限らず、いい親子関係ができている要因ってなんだと思いますか?

「否定をしないってことじゃないですかね。私は今まで一度も『だからあなたはダメなのよ』と、否定的な言葉を言われたことがないんです。幼少期から、いい時も悪い時も常に母はフラットでいてくれたので、たとえ自分が大きな間違いをしても味方でいてくれるんだろうなって思えるんです。そういう感覚が両親に対してあるので、それが信頼関係につながっているのかなって思います。もちろん『それは玲子が間違っているよ』と怒られることもありますけど、根本的に人として否定するってことはなかったです」

――最初から否定せずに一度受け入れるってことは、できそうで意外と難しそうですよね。

「そうですね。例えば、これをやったら転びそうだなって思っていてもわからなさそうなら、一度転ぶことを経験させようみたいに、自分で学んでいきなさいって言われている感じはありましたね」

――これからもお母様との関係性は変わらなさそうですね。

「大人になってから、さらに母との距離が近くなった感じがします。高校を卒業をして親元を離れてからはバドミントンで忙しくて一緒にいられなかった分、今、近くに住んでもらえているので、母親に子育ての部分で甘えていますね。昔よりもさらに、お母さんのことを尊敬しています。ママたちはみんな言うと思うんですけど、母親ってやっぱりすごいです(笑)」

Profile
潮田玲子(しおた れいこ)
1983年9月30日生まれ、福岡県出身。
女子ダブルスで小椋久美子と「オグシオ」ペアを組み、全日本総合選手権を5連覇、2008年の北京五輪では8位入賞を果たした。女子ダブルスのペアを解消後、混合ダブルスで池田信太郎とともに2012年ロンドン五輪に出場し、その年のヨネックスオープンを最後に引退。同年の誕生日にサッカー選手の増嶋竜也さんとの結婚を発表した。2015年に第1子男児を出産し、2017年に第2子の女児を出産。現在は、テレビを中心に活躍している。

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