震災から5年。羽生結弦と『天と地のレクエイム』の必然的な出会い (4ページ目)

  • 副田つづ唯●取材・文

――『天と地のレクイエム』は、羽生選手の演技によって世界へと羽ばたいています。この現象をどのように受け止めていますか?

「すでに、この曲が本来持っているものと違うものを背負って歩き始めているような気がしています。これほど多くの人に聴いてもらえるきっかけをくださった羽生選手に、心から感謝しています。

 もともと僕はいただいたメロディを発信しているだけなので、先にも話したとおり、ここに僕の思いは何もないんです。世界で聴かれているという信じられない展開にも、どこかに"あ、そういうことだったんだ"と納得できる感覚があります。

 目に見えない誰かが役者を集めてそれぞれに役を与えていて、僕たちは無意識なところでその役をこなしている。そうやって世の中が動いているような気がしてなりません。この曲を聴いた皆さんが少しでも心動かされるようなことがあれば、幸運にも、奇跡的に『天と地のレクイエム』を世に出させてもらった意味があったと思っています」

  フィギュアスケート・ミュージック2015-2016
2015-2016シーズンの最新使用楽曲を集めたコンピレーションアルバム。
クラシック、映画音楽、ジャズ、ラテン楽曲...とジャンル豊かな選曲に加え、今季の話題楽曲『天と地のレクイエム』、使用選手のために書き下ろされた楽曲『A Destiny.』を収録。
●発売:キングレコード●定価:1,800円+税●解説:長谷川仁美
【official HP】


フィギュアスケート記事一覧>

スポルティーバのフィギュアスケート特集号
「羽生結弦 Over the Topその先へ」発売中!!
詳しくはこちら>>

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る