東京ヴェルディはeスポーツでも世界に出ていく。エイバルと親善試合も (2ページ目)
「当時の調査の結果からも、若者がよくゲームに触れていることがわかっていました。ゲームをプレーするだけでなく、プレー動画や大会の配信を視聴したり、実際にイベントに参加したり、非常に能動的にゲームに触れている層も多かったのです」
また、ゲームにおけるオンライン対戦の進歩も肌で感じていたという。通話を伴ったオンライン対戦は、単なる遊びの道具ではなくコミュニケーションツールとしての一面も持つようになったのだ。これらさまざまな要素を持ち合わせたeスポーツは、若者との接点を増やしたいヴェルディにとって魅力的な市場にほかならない。
では「ボーダーレスで世界進出」とは何だろうか。ヴェルディは、そこにビデオゲームならではの魅力を見出しているという。
「まさに先日、ヴェルディ所属選手であるy0ichiro(よーいちろう)がスペイン1部のエイバルのeスポーツチームと対戦しました。通信速度によるラグなど技術的な課題はあるのですが、日本とスペインを繋いで対戦できる点はeスポーツならではです」
約50年前に東京ヴェルディ(当時の読売サッカークラブ)が創設された時も世界進出の旗を掲げてクラブを立ち上げた。「舞台はビデオゲームになりましたが、eスポーツチームも『世界に出ていく』という同じ遺伝子を持っています」と松本氏は熱っぽく語る。
だが先例もないなか、まったく新しい業界へ挑戦することに恐れはなかったのだろうか。
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