【陸上1万m】鈴木亜由子と関根花観。連係の走りでリオ五輪の上位へ

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriya Toshimi
  • 岸本勉/PICSPORT●写真 Kishimoto Tsutomu/PICSPORT

 日本陸上競技選手権初日の6月24日。トラック種目最初の決勝だった女子1万mは、JP日本郵政Gの鈴木亜由子と関根花観にとって計算通りといえるレースになった。

同じチームで日頃から練習に励み、代表でもともに活躍を誓う鈴木亜由子(左)と関根花観同じチームで日頃から練習に励み、代表でもともに活躍を誓う鈴木亜由子(左)と関根花観 スタート直後に先頭に出て、集団を引っ張ったのは関根だった。もともと「ラストのキレはないタイプなので、前半から積極的に勝負するのが自分の持ち味」と話していた彼女は、五輪代表の座がかかったレースでも臆することはなかった。出場選手中17名が32分15秒00のリオデジャネイロ五輪参加標準記録を突破していて、このレースの結果次第で代表になるチャンスがある。その中で関根が5月にアメリカで出した31分48秒90は9番目の記録。日本陸連の派遣設定記録31分23秒17を突破する31分18秒16を出している鈴木以外の選手の間で、上位2名に入れば代表になれる可能性が高かった。

 最初の1周目を1分14秒で入った関根は、1000mを3分07秒で通過。31分10秒のペースだった。これを同僚の鈴木もサポートする。1000mを通過すると鈴木が前に出て関根を引っ張り、2000mからは関根が前に出るなど、2人で31分台前半を狙えるハイペースのレースを作り出した。

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