リオに挑む才媛ランナー・鈴木亜由子「チャンスは絶対ものにする」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

 昨年の世界選手権の5000m決勝で鈴木亜由子(日本郵政グループ)は、スプリント能力の高い外国勢に対抗するために、前半から積極的な走りで集団の人数を絞り込むと、スピードアップした後半も粘り切ってリオデジャネイロ五輪代表内定条件の8位入賞に0秒29差の9位と大健闘のレースをみせた。

笑顔でしっかりと自分の描く未来を語った鈴木亜由子笑顔でしっかりと自分の描く未来を語った鈴木亜由子  今年1月17日の全国都道府県対抗女子駅伝では、愛知県チームアンカーとして最終10kmを1分37秒差の4位でタスキを受けると、7km過ぎから群馬、兵庫を抜き、8.3kmではトップの京都も抜き去り、愛知初優勝の立役者となった。

「年末年始は少し足に不安があったので、調子自体はそんなに上がっていなかったけど、直前のウォーミングアップでは割と体が動いたので、もしかしたら思ったより走るかもというのはありました。1位はタイム差も大きいから厳しいかなと思ったんですが、2位までは可能性がありそうだと思い、まずはそこを狙ってスタートしました」

 前半の5kmは少し抑えて、後半にある下り坂を利用してペースアップしようという計画通りに走って、2位と3位が近づく。そのとき、その前にいた中継車がいなくなると、1位の京都府が視界に飛び込んできた。「あれっ?これは去年と同じ展開だ」と驚きながらも、目標が1位へと変わった。

 昨年は1位と1分差の6位でタスキを受けると、先頭も視野に入れて快走をしたが、4位までしか順位を上げられなかった。

 それを踏まえた今年のレースを「去年の悔しい思いなど、いろんな条件が重なって逆転できたのだと思う」と鈴木は微笑む。

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