鈴木明子が浅田真央を語る。「ストイックさに少しの変化が...」

  • 元永知宏●取材・文 text by Motonaga Tomohiro  是枝右恭●写真 photo by Koreeda Ukyo

鈴木明子が語る2015-2016シーズン総括@女子編

 グランプリファイナル銀メダリストの宮原知子が5位、復帰した浅田真央が7位、2回目の出場となった本郷理華が8位――。2015-2016シーズン、日本女子勢は世界選手権で11年ぶりにメダルを逃した。各選手のスケートから見えた収穫と課題を、プロフィギュアスケーターの鈴木明子さんに聞いた。

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女子フィギュアの現状を語ってくれた鈴木明子さん女子フィギュアの現状を語ってくれた鈴木明子さん――今シーズンの終了後にうれしいニュースが飛び込んできました。浅田選手が2018年の平昌オリンピックを目指すことを宣言しました。

鈴木明子(以下:鈴木) この1年間、「自分のスケートは何なのか」と考え、やっとその答えが見えてきたのではないかと思います。「オリンピックという最高の舞台に立ちたい。それが私の最終目標」と口にしたのは、「自分のスケート」の形が見えたから。「順位や点数を超えたものを表現できる」という手応えを掴んだうえで、「勝利を狙える」と感じたのではないでしょうか。

――完全復活が期待された世界選手権。浅田選手はショートプログラムで9位でしたが、フリーで巻き返して200点超え(200.30)で7位に入りました。久しぶりに「らしさ」が光る演技でした。

鈴木 この大会で、これまでとは違う喜びを得たように思います。結果は満足できるものではなかったでしょうが、フリー後の表情が「心のなか」を表していました。彼女はずっと完璧を目指すストイックな選手でしたが、少し変化が見られます。体調に不安があるなかで、「やるべきことはやれた!」という思いが伝わってきました。

 自分で自分に期待しすぎて、結果が出ずにもがき苦しんだシーズンでした。「復帰しないほうがよかったと思ったこともあった」と言っていましたが、これからが本当のスタートです。

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