池江璃花子が筆頭。リオでの活躍に期待大の新世代スイマーたち

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 二宮渉●写真 photo by Ninomiya Wataru

日本選手権を通して、またひとつ成長を見せた池江璃花子日本選手権を通して、またひとつ成長を見せた池江璃花子 4月10日まで行なわれた競泳日本選手権。日本水泳連盟の平井伯昌(のりまさ)競泳委員長が「20年東京五輪につながるような、若い女子選手が代表に入ってきたことが、今回の大きな特徴だった」と話すように、高校1年、中学3年などの若手が力を発揮して、代表入りした。

 その筆頭が、高校1年生の池江璃花子(いけえ りかこ)だ。彼女は昨年、中学3年ながら世界選手権の400mリレーと800mリレーの代表になっていた。

 昨年4月の日本選手権は、日本ランキング1位で臨みながらも100mバタフライでまさかの予選敗退。しかし、10月のワールドカップ東京大会で、リオ五輪派遣標準を突破する57秒56の日本記録を出すと、今年に入ってからは自由形50mで24秒59、100mは53秒81と日本記録を連発して勢いに乗っていた。

 そんな池江がメイン種目と考えているのが、100mバタフライ。今回は準決勝で57秒55の日本記録を出し、順調に駒を進めた。(800mリレー代表も狙う)200m自由形準決勝を終えて、約50分後に臨んだ100mバタフライ決勝では「前半が速かったので、少しバタついた泳ぎになってしまった」というように、57秒71とタイムを落としたものの、雪辱を果たす優勝を飾り、派遣標準を0秒06上回って代表権を獲得した。

 池江の登場は、12年ロンドン五輪まで、この種目を牽引した加藤ゆかの引退後、メドレーリレー立て直しのためにも日本水泳界が待ちわびていたことでもある。レース後の場内インタビューでは、話し始めた途端に大声で泣き出してしまう初々しさを見せた池江。記者の前では「自分でもそんなに涙が出てくるとは思わなかった。200m自由形と2種目やるかどうか迷ったけど、今になって間違いではなかったなと思った」と笑みを浮かべた。

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