東京五輪へ注目。美女クライマー野口啓代が、ボルダリングJCを制す

  • 津金一郎●取材・文 text by Tsugane Ichiro

 1月30日、31日に埼玉県加須市・加須市民体育館で行なわれた『ボルダリング・ジャパンカップ2016』(以下BJC)には、例年以上に多くの観客とメディアが詰めかけた。「スポーツクライミング」が2020年の東京オリンピックの追加種目の有力候補になっていることに加え、クライミング・ワールドカップ(以下WC)のボルダリング部門で、昨年までシリーズ王者2連覇中の野口啓代(あきよ)が出場していたためだ。

注目が集まる中で、見事優勝を果たした野口啓代。photo by Nikkan sports注目が集まる中で、見事優勝を果たした野口啓代。photo by Nikkan sports 結果は、メディアのカメラの砲列が向けられるプレッシャーをはねのけ、野口が2年ぶり10度目の優勝を手にした。

 ボルダリングは、クライミングウォール(人工壁)に付いた大小のホールド(突起物)を、手や足を使って登りながらゴールを目指す競技。ジムでは壁一面に色とりどりのホールドがぎっしりと付けられ、「課題」はテープなどで使用できるホールドが指定されている。

 しかし、IFSC(国際スポーツクライミング連盟)のルールのもとでの競技は、1面のクライミングウォールには1課題のみ。最大12個、平均4〜7個のハンドホールドで設定された課題を、選手たちは制限時間内の完登(課題を登り切ること)を目指してトライする。

 失敗しても、時間内なら完登するまで何度でもトライできるが、肉体は消耗することになる。出場選手の公平性を保つために、事前に課題内容を知ることはできない。初めて対峙する課題に対し、選手は日々のトレーニングと、応用力で立ち向かう。予選は5本、準決勝・決勝は各4本の課題があり、完登数で成績が決まる。

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