これぞ絶対王者。300点超えを達成した羽生結弦の新たな決意 (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi   能登 直●写真 photo by Noto Sunao

 そして、SP2位で、フリーでは3種類の4回転を合計4回入れていたボーヤン・ジン(中国)も細かなミスを繰り返し、合計で266・43点に終わった(結果は2位)。

 ところが羽生は、そんな流れにまったく影響されなかった。前日のSPの勢いそのままにスピードに乗って滑り始めると、冒頭の4回転サルコウを難なく決めてGOE(出来ばえ点)で2・86の加点。続く4回転トーループも完璧に決めて2・57点の加点をもらった。

 さらに、スケートカナダでは少し抑え気味だった前半最後のステップシークエンスも力強く踏んでレベル4を獲得すると、今シーズン過去2戦で苦しんでいた後半の4回転トーループもセカンドに3回転トーループをつけて成功させたのだ。

 その後、トリプルアクセルからの連続ジャンプでは、両手を挙げてダブルトーループを跳ぶことでGOE満点の3点が加算された。そして、ジャンプだけでなくスピンやステップでも最高のレベル4に認定される完璧な演技を披露。

 その結果、技術点は118・87点で、演技構成点は満点の100点に限りなく迫る97・20点。断トツでの優勝を決める最高の演技だった。

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