髙橋大輔のサポート経験が
サニブラウンへの「食」指導に生きている

  • 川喜田研●構成 text by Kawakita Ken

特集 スポーツの秋、食の秋(7)

食欲の秋にスポルティーバがお送りする「スポーツと食」の特集。多くのトップアスリートを長年「食」の面から支えてきたスポーツ栄養士の石川三知(いしかわ・みち)さんのインタビュー。後編では、石川さんが5シーズンにわたってサポートしたフュギュアスケーター・髙橋大輔選手とのエピソードや、その経験が今、他のアスリートの指導にどのように活かされているのかを語ってもらった。
※前編はこちら>>


■最初は「1カ月だけ」のはずだった......

 私が髙橋大輔選手のサポートを始めたのは2009年。でも、実を言うと、最初は1カ月だけ......のはずだったんです。それまで、食事に関して比較的無頓着だった髙橋選手に「目と舌と感覚で食べるモノの大切さを覚えて欲しい」ということで食事指導を始めたのですが、それが思いのほかよかったらしく、そのまま、気が付いたら5シーズン!(笑) あっと言う間に経ってしまいました。

髙橋大輔が2014年のソチ五輪後に引退するまでの5シーズン、石川さんは食事指導を担当した。 photo by Noto Sunao/JMPA髙橋大輔が2014年のソチ五輪後に引退するまでの5シーズン、石川さんは食事指導を担当した。 photo by Noto Sunao/JMPA 髙橋選手は「食事に無頓着だった」と言いましたが、実際に食事指導を始めて感じたのは、彼の「感性」の鋭さです。こちらが食に関して何かすると、きちんとその意図を直感的に理解してくれるから、やればやるだけ手応えがある。

 たとえば、「これは朝ご飯に食べてほしいな」とか「これは練習後、寝る前に食べてほしいな」と思いながら作ったものを、何も説明しなくても、その通りに食べている......そういう「感性」があるんですね。

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