【フェンシング】リオ出場に黄信号。危機を救うのは10代の2人

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 望月仁●写真 photo by Mochizuki Hitoshi

 11月8日に行なわれたフェンシング男子フルーレ高円宮杯団体戦。それは日本にとって、重要な一戦だった。リオデジャネイロ五輪団体戦の出場枠8は、今年4月4日から来年4月3日までの間の国別ランキングで決まる。団体戦の出場権を獲得すれば、世界ランキングから考えて、2位の太田雄貴(森永製菓)のみになる可能性が高い個人戦の枠を3名まで増やすことができるのだ。

団体戦でカギを握る若手の敷根崇裕(左)、松山恭助(中央)、そしてエースの太田雄貴(右)団体戦でカギを握る若手の敷根崇裕(左)、松山恭助(中央)、そしてエースの太田雄貴(右) 出場権は国別ランキング上位4位までが自動的に、5位以下は各大陸で最上位の1カ国が獲得できる。日本は現在6位で、アジア・オセアニア枠を確保している状況だが、4位の中国が5位のアメリカに逆転される可能性は十分にあり、中国が落ちてきてしまうと日本の出場が消えてしまう。そのために今大会の"日本のミッション"は、日本に次いでいる韓国より上位の成績を残し、なおかつ中国をサポートするためにベスト8で当たるアメリカに勝つことだった。

 その戦いに日本は、エースの太田と千田健太(阿部長マーメイド食品)の両ベテランに加え、昨年から団体メンバーにも入っている18歳の松山恭助(早大1年)と、今回がデビュー戦となる17歳の敷根崇裕(東亜学園高3年)を起用した。

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