世界ジュニア3位。樋口新葉が語る「収穫と課題」

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 エストニアのタリンで開催された世界ジュニア選手権。女子の日本勢は樋口新葉(わかば)が3位になったのをはじめ、坂本花織が6位、永井優香が7位という結果になった。

世界ジュニア選手権で3位になった樋口新葉、フリーの演技世界ジュニア選手権で3位になった樋口新葉、フリーの演技 3月4日に行なわれた女子ショートプログラム(SP)。樋口新葉は12月のジュニアGPファイナルの最終成績と同じ、ロシア勢のエフゲニー・メドベデワとセラフィマ・サハノビッチに次ぐ3位発進となった。演技後の樋口は「スピードは若干足りなかったと思うけど、ジャンプのミスも少なくてスピンとステップのレベルも取れていたので、自分のなかでは満足出来る演技だったと思う」と納得の表情で語った。

 得点は61.27点の自己ベスト。ファイナルではロングエッジ(誤ったエッジ)を取られていた3回転フリップは「エッジがクリアでない」ことを示す"!"マークがつけられたものの、出来ばえのGOE減点を0・90点に抑えた。SP5位発進だったファイナルの時と比べると、首位のメドベデワには差を広げられたが。動きにキレがなかったサハノビッチとの差は5.68点差から1.17点差に詰めていた。

 前日の公式練習では、ジャンプを跳ぶ前に、大きな動きでステップシークエンスを繰り返していた。「今年になって大きな大会が増えてきたので、公式練習でアピールすることでジャッジがどう見てくれるかなと考えるようになったので......。今日はジャッジが見ていたから、ステップはけっこう頑張ってアピールしました」と語っていた。その効果があったのか、今回のステップはレベル4。出来ばえを加えた得点も4.80点と、ファイナルを0.70点上回っていた。

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