羽生結弦の背中を追う17歳。宇野昌磨が急成長した要因とは?

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

2月特集 2015年躍動するホープたち(7)

 昨年12月の全日本選手権で、小塚崇彦や町田樹、無良崇人を抑えて2位になった宇野昌磨、17歳。その才能は、ノービス時代から際立っていた。そして、この1年の急成長は誰もが注目するところだ。

 今シーズンの躍進の要因は、4回転トーループとトリプルアクセルの習得にあった。

「どちらも同じ時期に跳べるようになったけど、跳べない時にもいろんな人に教えてもらって、練習をしてきた結果だと思います」

飛躍のシーズンを送っている宇野昌磨飛躍のシーズンを送っている宇野昌磨 こう話す宇野は、昨年夏のオフシーズンに、アンソニー・リュウコーチやイリア・クーリックコーチから、4回転トーループについてアドバイスを多くもらった。その教えを何度も繰り返し、「一番やりやすい跳び方を見つけられた」宇野は、以前からトライしていたトリプルアクセルにも「新たな気持ちで取り組めるようになった」という。

 今シーズン、力強い滑りを見せている宇野が、まず結果を出したのは昨年8月のアジア杯だった。この大会のシニア男子の部に出場した宇野は、トリプルアクセルはSPとフリーともに転倒したものの、4回転トーループをフリーで決めて優勝した。

 アジア杯後、宇野はフリーで4回転を2回入れることを決意し、9月のジュニアGPメーテレ杯(名古屋)では2本目が回転不足になりながらも、ともに着氷して結果は2位。そして、10月のジュニアGPクロアチア杯では2本とも成功させて優勝し、12月のジュニアGPファイナル(バルセロナ)進出を決めた。

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