【カーリング】平昌五輪へ。マリリンがついに本気になった

  • 竹田聡一郎●文 text&photo by Takeda Soichiro

 第32回全農日本カーリング選手権が2月8日に開幕した(会場:アドヴィックス常呂カーリングホール/北海道北見市。試合は2月9日~15日)。

 現在、日本選手権は中部電力が4連覇中。主将の清水絵美は、「日本選手権優勝がこのチームの目標です」と、チーム青森の記録に並ぶ5連覇達成へ意欲を見せる。しかし、その前に大きく立ちはだかるのは、日本代表として2014年ソチ五輪に出場した北海道銀行フォルティウスだ。

 北海道銀行はソチ五輪後、チームを再編成し、さらなるレベルアップを図った。札幌国際大を卒業した吉村紗也香に、チーム青森の近江谷杏菜と、ふたりのビッグタレントを補強。ファースト・近江谷、セカンド・小野寺佳歩、サード・吉村、スキップ・小笠原歩という豪華布陣を組んで、船山弓枝をリザーブに据える強力体制を築いた。

 そして、2014-2015年シーズンがスタートした昨秋、ワールドカーリングツアー()に参加。日本の女子チームとしては、史上初となる2度の優勝を飾った。
※毎年9月から翌年の4月にかけて、北米や欧州の各都市で行なわれるシリーズ戦。2014-2015年シーズンは、33週で50を超える大会が各地で開催される。すべての大会に賞金が設定され、出場に際しては厳正な審査がある。そのため、参加できるのは、おおよそ世界トップクラスのチームに限られる。

 そんな充実のシーズンを送る中、スキップの小笠原は日本選手権制覇への強い決意を示す。

「今季はここまで、日本選手権にピークを持っていけるように強化を続けてきた。国内ではもう負けたくない。もちろん、優勝するつもりです」

 日本屈指の戦力をそろえ、着実にチーム強化が進んでいる北海道銀行。今大会の大本命であることは間違いない。

 一方で、そんな北海道銀行にひと泡吹かせて、虎視眈々と女王の座を狙うチームがある。

 本橋麻里率いるロコ・ソラーレ北見(以下、LS北見)だ。関係者の間からも「今年は、LS北見が頂点に立ってもおかしくない」という声が少なからず聞こえてくる。

 チーム青森の一員として、2006年トリノ五輪、2010年バンクーバー五輪に出場した本橋。彼女がLS北見を結成して、今季で5シーズン目を迎える。メンバーの入れ替わりが激しいカーリングにおいて、オリジナルメンバー4人は代わらずに地道に強化を図ってきた。過去4回の日本選手権でも、準優勝1回、残り3回もすべて4強入りと安定した結果を残し、頂点まであと一歩まできている。

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