【カーリング】日本、宿敵に完敗。国際舞台で露呈した弱点 (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●文 text by Takeda Soichiro
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

 しかし、北海道銀行は予選リーグから思いどおりの戦いができずに苦しんだ。時間の経過とともに、大きく変化するアイスの状態に対応できなかったのだ。

 同じゲームでも、序盤に決まっていたドロー(※)が、アイスが溶け始める中盤から後半にかけて決まらなくなった。とりわけ、勝負の行方を左右する、大事なエンドでのキーショットでミスが目立った。結局、予選リーグにおけるライバル2チームとの対戦では、中国には1勝1敗(4-7、7-4)だったものの、韓国には連敗(4-6、4-7)を喫した。

※ハウス内など、狙った場所にストーンを止める、比較的スピードを抑えたショットの総称。一方、ストーンを狙って弾くショットの総称を「テイク」と呼ぶ。

 そんな予選リーグの結果を受けて、小笠原は肩を落とした。

「(予選リーグでは)恥ずかしいゲームが多かった。『日本代表』というプライドを、全員がもっと強く持たなくては......」

 オーストラリア(10-7、9-3)、ニュージーランド(8-6、7-4)には連勝し、予選リーグ3位で決勝トーナメントには駒を進めたが、そこでもチームの出来がよくなることはなかった。予選リーグ2位の中国と対戦した準決勝(予選リーグの結果を含めた3勝先取制)で、6-7、7-8と連敗。目標とする優勝どころか、決勝進出さえ果たせなかった。

「(準決勝の中国戦は)チャンスはあったけど、決めるべきところを決め切れないで、(悪いリズムのまま)ズルズルといって敗れてしまった」

 不満の色を隠さずに、そう語った小笠原。3位決定戦ではニュージーランドを下して(8-4)銅メダルを獲得したものの、その表情は最後まで冴えなかった。

 カナダ合宿での実績からして、「この結果は意外だった」と記者から水を向けられても、小笠原は「これが今の(チームの)実力です」と切り捨て、憮然としたままこう続けた。

「カナダでも、(ショットが)つながったゲームは何試合かだけだった。でもそれを、(新メンバーが加わった)『新チームだから』といって、言い訳にはしたくない。もう二度と、こんな(歯がゆい)戦いはしたくない。この悔しさを忘れずに、また向こう(カナダ)でみっちり鍛え直してきます」

 北海道銀行はこのあと、わずかな休息をとったのち、11月19日には日本から旅立って、再びカナダ遠征を実施するという。現地で合宿を張りながら、ワールドカーリングツアーにも復帰。最後は、12月のアメリカ・ミネソタ州ミネアポリスの大会に出場して帰国する予定だ。

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