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【水泳】渡部香生子「雪辱の金」で示した17歳の貫禄 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之●写真photo by Nakamura Hiroyuki

 しかし、この金メダルの前には悔しいレースも経験していた。

 大会2日目に行なわれた100m平泳ぎでは、スタートのブザーが鳴る直前に重心が後ろに下がってしまい、リアクションタイム最下位でスタート。50mではトップのジェシカ・ハーディ(アメリカ・2013年世界選手権3位)に0秒81差の4位通過。そこから強烈な追い上げをみせたものの、ハーディに0秒04届かない2位だった。

 レース後渡部は、「スタートもそうだけど、前半の泳ぎは急いでしまう感じになって......。これが国際大会なんだというのを、改めて感じました」と振り返り、獲れるはずの金メダルを逃してしまったことを悔やんだ。

 そして、その悔しさを晴らすためにも最終日の200m平泳ぎ、個人メドレーでは頑張りたいと渡部は話していたのだ。

 念願の金メダルを獲得した30分後にはメドレーリレーにも出場したが、表彰式を終えてから駆けつける慌ただしい中で、引継ぎタイムの差を考慮に入れても2日目の100m決勝の1分06秒78とさほど変わらない1分06秒39で泳ぎ、4位に終わった日本チームを一度は3位にあげる意地の泳ぎを見せた。

「すごくきついスケジュールになっていたので不安なところもあったけど、竹村(吉昭)コーチにも『今までこのために練習をしてきたのだから』と話をされて、一本一本をしっかり自信を持って臨もうと思いました。それに今回は自分で『勝ちたい』と思ってプレッシャーもかなり感じていたけど、レース前にロンドン五輪や五輪選考会のことを思い出して、『あれと比べれば、自分でそれほど重く受け止めるほどではない』と思って」

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