【水泳】萩野公介、400m個人メドレー金で雪辱を果たす

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之●写真 photo by Nakamura Hiroyuki

 朝から雨が降り続く、悪コンディションとなったパンパシフィック選手権2日目。前日の200m自由形で萩野公介は計算通りの泳ぎから、ラスト25m過ぎでわずかに抜け出したかに見えたが、タッチの差で敗れる2位となった。

2日目を終えて銀メダル1個、金メダル1個を獲得した萩野公介2日目を終えて銀メダル1個、金メダル1個を獲得した萩野公介「最後の5mは身長の差で負けたような感じでしたね。タイムも速いわけではなくて、勝てるレースだったので勝負に負けたのは悔しいけど、『前半を速く入ろう』という新しいレース展開はできたのかな、という気がします」と話していた萩野だが、2日目は彼がメイン種目とする400m個人メドレーに挑んだ。

 エントリータイムトップの予選は、最終第3組の4レーン。隣の3レーンには初日の200mバタフライで優勝した瀬戸大也、反対の5レーンには昨年の世界選手権2位のチェイス・カリシュ(アメリカ)がいるという組み合わせだった。最初のバタフライではスタートから瀬戸をわずかにリードする展開で、得意の背泳ぎでは2秒48突き放した。続く平泳ぎで、瀬戸に0秒10差まで追いつかれたが、最後は0秒26先行してゴールした。

 瀬戸は「とりあえず公介についていけば決勝進出の2枠には入ると思って泳ぎました。昨日の疲れも残っていて体は重かったけど、去年の世界選手権の予選より速いタイムだから、決勝は自信を持って泳ぎたい」と話していた。 

 一方萩野は、最後の自由形でかなり余裕を持った泳ぎに見えた。

「余裕を持って気持ちよく泳げたので、タイムは悪かったけど久しぶりに予選らしい良い泳ぎができたと思います。決勝では日本人対決にチェイスが割り込んでくるような同世代同士の争いになると思うけど、そこで競り負けないようにしたい」と語っていた。
 
 予選トップ通過の萩野のタイムは4分11秒48と平凡だが、瀬戸と互いの出方を見ながら泳ぎ合うような、緊張感のあるレースだった。

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